コラム 胴突か天秤か
砂浜の女王と呼ばれるシロギスには様々な狙い方がある。例えば投げ釣りやボート釣りにあるように「天秤仕掛」を使って底をサビき、魚に仕掛の存在に気付いてもらい、エサに興味を持ってもらって吸わせるというアプローチが定番パターンである。
しかし東京湾の船釣りで狙うバーチカルなシロギス釣りは、休日はもちろんハイシーズンには平日も、連日多くの船が狙うハイプレッシャーなフィールドであるからゆえ、口を使ってくれないパターンも多い。俗に言う「居るけど喰わない」「アタるけど乗らない」といった具合である。もちろん天秤で広範囲に捜索範囲を広げつつアクティブに誘い続ける方法もあるにはあるのだが、栄養豊富な海でお腹も満腹、さらに警戒心も高い大型に育ったシロギスとなると、一筋縄ではいかないテクニカルな釣りになるのである。
そんな大型の東京湾のシロギスを狙うために、一部の遊漁船では昭和の頃から「胴突仕掛」が用いられてきた。時代は令和となり釣り具の進歩もすさまじい。リールの軽量化、PEラインの強化、カーボンロッドの更なる進化によって、シロギスの捕食状況が詳細にわかるようになってきた。現在ではシーズンによって胴突か天秤か2つの仕掛を選択するのが主流となっている。
ここからは私的イメージになる。
東京湾のシロギスは餌であるイソメの体液を味見するようなイメージである。一旦はイソメの全体を吸い込むが、すぐに外に出す行動・食事パターンが非常に多い。皮が嫌という訳ではなさそうだ。吸い込んだ釣り針を異物と認識して外に出すという考えで大きく違ってはいないだろう。
投げ釣りやボート釣りと同じように「シロギス狙いなら小さい針」という考えで吸い込ませて飲み込ませる戦略をとると、喉に掛からず巻き上げ最中にバレることが多い。数をより稼ぐには、適切にタイミングをとってアワセを入れることが非常に大事である。天秤仕掛だと半向こう合わせ的なノリで乗ることが多いのだが、胴突仕掛だと違和感に対して即アワセを反射的に行うことが釣果に影響することが多い。使っているタックルによって多少は異なるが、基本的にはシビアに竿先あるいは道糸の弛ませ/張り具合を見つめてアタリをとっていくスタイルが正解につながることが多い。
最近は針は袖6~7号(がまかつ)を愛用している。軽さとフトコロの大きさのバランスが東京湾の15cm~20cmのシロギスにベストマッチしている。好みで赤や金を使うこともあるが、基本的には色のコーティングが無い方が刺さりが良いというイメージを持つ。
少々お高いが、F1キス6~7号もおすすめ。袖タイプを基本にヒネリを入れた形で、素材もあいまって非常に掛かりやすい。
市販の製品は流線または狐で作られていることが多く、袖はマニアックな会社しか作っておらず、ほぼ無い。なので私の場合は自作となる。
ファミリー向けとして特集されることもある、初心者の船釣りの入り口として紹介される「船シロギス」であるが、突き詰めていくと最適解が色々あり面白い。まだまだ入口に入ったばかりだが今後も突き詰めていきたいと考えている。
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